林屋辰三郎奨励賞・特別賞

藝能史研究會では、2005年より、若手研究者の育成と奨励を目的として、当会の創立者であり初代代表でもあった林屋辰三郎先生のお名前を冠した「林屋辰三郎藝能史研究奨励賞」を設置し、優れた業績を上げた若手研究者を表彰しています。2011年より「林屋辰三郎藝能史研究特別賞」が設置されました。

奨励賞規定

  • 本賞を林屋辰三郎藝能史研究奨励賞と称する。
  • 奨励賞受賞者には、賞金十万円を贈呈する(受賞者が複数の場合は分割して贈呈する)。
  • 選考対象は、原則として発表時満40歳以下の藝能史研究會会員が発表した藝能史に関する研究論文(単行本を含む)とする。但し、前年1年間(1月から12月)に発表したものに限る。
  • 選考対象の決定は依頼を受けた委員の推薦により行うが、自薦も可とする。推薦の締切は2月末とする。
  • 選考対象をもとに、委員五名程度からなる選考委員の合議を経て、受賞者を決定する。
  • 受賞者が決定次第、本人に通知し、翌年度の藝能史研究會大会の場で賞を授与する。

奨励賞の記録

  • 第1回(2006年度)
    宮本 圭造 氏 『上方能楽史の研究』(平成17〔2005〕年3月 和泉書院刊)
  • 第2回(2007年度)
    沖本 幸子 氏 『今様の時代-変容する宮廷芸能』(平成18〔2006〕年2月 東京大学出版会刊)
  • 第3回(2008年度)
    加納 克己 氏 『日本操り人形史-形態変遷・操法技術史-』(平成19〔2007〕年6月 八木書店刊)
  • 第4回(2009年度)
    金 賢旭 氏 『翁の生成 渡来文化と中世の神々』(平成20〔2008〕年12月 思文閣出版刊)
  • 第5回(2010年度)
    神津 武男 氏 『浄瑠璃本史研究 近松・義太夫から昭和の文楽まで』(平成21〔2009〕年2月 八木書店刊)
  • 第6回(2011年度)
    佐藤 かつら 氏 『歌舞伎の幕末・明治-小芝居の時代-』(平成22〔2010〕年4月 ぺりかん社刊)
  • 第7回(2012年度)
    村上 紀夫 氏 『近世勧進の研究-京都の民間宗教者-』(平成23〔2011〕年10月 法蔵館刊)
  • 第8回(2013年度)
    辻 浩和 氏 「中世前期「遊女」の組織とその支配」(平成24〔2012〕年7月 『藝能史研究』198号)
    廣田 吉崇 氏 『近現代における茶の湯家元の研究』(平成24〔2012〕年12月 慧文社刊)
  • 第9回(2014年度)
    岡田 万里子 氏 『京舞井上流の誕生』(平成25〔2013〕年2月 思文閣出版刊)
  • 第10回(2015年度)
    本間 洋子 氏 『中世後期の香文化-香道の黎明-』(平成26〔2014〕年2月 思文閣出版刊)
  • 第12回(2017年度)
    日置 貴之 氏 『変貌する時代のなかの歌舞伎 幕末・明治期歌舞伎史』(平成28〔2016〕年2月 笠間書院刊)
  • 第13回(2018年度)
    該当作なし
  • 第14回(2019年度)
    八反 裕太郎  『描かれた祇園祭 山鉾巡行・ねりもの研究』 (2018年1月思文閣出版)
    後藤 隆基  『高安月郊研究 明治期京阪演劇の革新者』 (2018年2月 晃洋書房
  • 第15回(2020年度)
    寺田 詩麻  『明治・大正 東京の歌舞伎興行 その「継続」の軌跡』 (2019年6月 春風社 龍谷叢書48
  • 第16回(2021年度)
    埋忠 美沙  『江戸の黙阿弥 善人を描く』 (2020年12月 春風社
  • 第17回(2022年度)
    該当作なし
  • 第18回(2023年度)
    該当作なし
  • 第19回(2024年度)
    粂 汐里 『中近世語り物文芸の研究―信仰・絵画・地域伝承―』(2023年2月 三弥井書店

特別賞規定

  • 本賞を林屋辰三郎藝能史研究特別賞と称する。
  • 特別賞受賞者には、賞金十万円を贈呈する(受賞者が複数の場合は分割して贈呈する)。
  • 選考対象は、 長期にわたって藝能史を研究し、顕著な成果をあげた業績とする。
  • 選考対象の決定は、依頼を受けた委員の推薦により、随時に行う。
  • 選考対象をもとに、委員五名程度からなる選考委員の合議を経て、受賞者を決定する。
  • 受賞者が決定次第、本人に通知し、翌年度の藝能史研究会大会において賞を授与する。

特別賞の記録

  • 2011年度
    植木 行宣 氏
    『中世芸能の形成過程 植木行宣 芸能文化史論集1』(平成21〔2009〕年3月 岩田書院刊)
    『舞台芸能の伝流 植木行宣 芸能文化史論集2』(平成21〔2009〕年9月 岩田書院刊)
    『風流踊とその展開 植木行宣 芸能文化史論集3』(平成22〔2010〕年4月 岩田書院刊)
  • 2016年度
    権藤 芳一 氏 『近代歌舞伎評論家論』をはじめとする諸業績
  • 2022年度
    熊倉 功夫  『熊倉功夫著作集』 全七巻(思文閣出版)に集約された研究業績
  • 2023年度
    下坂 守 『祇園祭千百五十年記念 中近世祇園社の研究』(法蔵館、2021年)並びにこれまでの業績